Life-ism

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タイミング

息子が小学2年生の時に、専門医からADHD注意欠陥多動性障害)の特性を持っていると診断されました。そして、ADHDについて学ぶうちに、その特性が私からの遺伝であること、すなわち、私もADHDの特性を持っていることがわかりました。

私たちがADHDであることを知った時は、とてもショックでした。私は「障害」という言葉に対して「普通じゃない」「異常」という認識を持っていたからです。けれど、自分が周りの同年代の人たちと「違う」ことには、幼い頃から気付いていました。忘れ物やなくし物がとても多い、何をやるにしても行動がもたつく、切り替えが下手、片付けや整理整頓ができない、急ぐと頭が真っ白になる、神経が過敏、etc...

それらの「生きづらさ」を「障害」と呼ぶのだと理解できたとき、ストンとおなかに落ちました。そして、「暴れ馬」のようなこの特性をコントロールする術を知り、生きづらさを減らす努力を始めてから、私は楽になっていきました。けれど、その時にはもう私は40代を迎えていて、人生においてこの特性によると思われる数々の大きな失敗をしてしまった後でした・・・。

生きづらさに対応する術を早く身につけるためにも、人生の大きな失敗を避けるためにも、この特性について早く知った方がよいのですが、伝えるタイミングが難しい。息子に大きなショックを与えてしまうかもしれないことも、怖かった。だから、そのタイミングが来るのを、ずっと見計らっていました。

先日、息子から「一人暮らしを始めたい」と提案されました。

大学に入学した直後にも「一人暮らしをしたい」と言われましたが、「学業がおろそかになる可能性が高い」という理由で先送りしました。

これから先も、その可能性がなくなったわけではありませんが、今回の提案は受け入れることにしました。「就職と同時に一人暮らしを始めるのはストレスが大きすぎるから、今から一人暮らしに慣れておきたい」というのが、いちばんの理由だったからです。

この夏に、自宅から遠く離れた土地で友人と3週間暮らしたことも、一人暮らしに対するハードルを低くしたようです。

タイミングが来たと思いました。

一昨日、私たちがADHDという特性を持っていることを、息子に伝えました。そして、一人暮らしを始めるという大きな変化とストレスに際して、私が適切だと考えているいくつかの対処方法も伝えました。それは、あくまでもヒントです。最適な対処方法は人それぞれ異なっていて、自分で見つけて身に付けていくものです。私がそうしてきたように…。

今まで母船に繋がれていた船が、ロープを解いて自力で航海を始めるのを見守っているような心境です。航海に必要な最低限の知恵と技術は、すでに伝え終えたつもりです。 もちろん不安も心配も尽きませんが、 これから息子がどんな航海をするのか楽しみでもあります。